組み体操支持も、揺れる現場

運動会の組み体操をめぐり、学校現場が揺れているそうだ。全国的に骨折事故が多発し、大阪のある中学校ではここ3年で7人が骨折していたことが明らかになった。大阪市教育委員会は9月、「ピラミッド」に高さ制限を設けた。一方で「団結力が身につく」「達成感を味わわせたい」など支持する声も根強い。
大阪府八尾市立の中学校の運動会で先月27日、組み体操「10段ピラミッド」が崩れ、中断にいた中学1年男子生徒の右腕の骨が折れたそうだ。この学校では昨年に4人、一昨年は2人が組み体操中に骨折していたという。
10段ピラミッドはビル2階相当、高さ6~7メートルに達する。校長によると、一昨年まで9段で実施していたが、生徒の希望を受けて昨年10段にした。その本番と練習中に2人骨折した。にも関わらず、なぜ今年も続けたのか。「男子は組み体操、女子はダンスという地域の伝統を大事にしたかった。安全策を取って続けていこうということになった」と話す。
文部科学省によると、学習指導要領に組み体操の記載はなく、実施は各校の判断に委ねられている。試案として出された1951年度版の中学・高校用指導要領に3段ピラミッドなど図解が記載されたが、それ以降の記載はないという。
日本スポーツ振興センターによると、2013年度、全国の小中高校で8000件以上の事故が起きたそうだ。骨折は2000件を超えるという。14年度に公立小中学校で46件の骨折事故が起きた大阪市教委は9月、ピラミッドは5段まで、肩の上に乗って重なるタワーは3段までに制限することを決めた。
「決定は時代の流れ」と大阪私立中学校の教頭は語る。この学校は今年から組み体操をやめた。ピラミッドを安全に組む生徒数を確保できなかったという。「組み体操は指導教員に高い専門性が要求される。毎年恒例だからと漠然と取り組むのは危険だ」とのこと。生徒の身体能力もだが、指導する側の知識や指導力も問われる。専門的に組み体操を指導できる教員がいるかどうか、組み体操を安全に行えると判断できるかどうかが問われる問題だ。